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『コクリコ坂から』 [日本映画]

『From Up On Poppy Hill』
「コクリコ」がフランス語でひなげしのことだと
映画を観たあとで知りました。

ピュアなラブストーリーという前知識があったので
ドキドキ感を期待したのですが…
う~ん、思ったほどではなくて残念。
…もしかすると期待しすぎだったのかも。
(なにしろジブリには『耳をすませば』があるから)

舞台は昭和38年。敗戦から18年経っていても
親世代は戦争を体験した人々。
主人公たちにも戦争は影を落とします。
「戦争の影」が強く印象に残りました。

親友の忘れ形見に会えるなんて
その二人が恋仲だなんて
三人のうち一人生き残った船長は
どんなに嬉しかったのだろう。

紛糾する学生集会、しかし学校側の目を欺くためなら
瞬時に敵味方関係なく一致団結。
ガリ版の鉄筆の音。
ローラーを転がし、一枚一枚刷っていく。
静かに流れる時間。

お掃除シーンが大好きです!
ほこりまみれのカルチェラタンの大掃除にわくわく
(ハウルの城のお掃除も楽しかったな)

谷山浩子さんが挿入歌をつくっていたのですね。
「朝ごはんの歌」「初恋の頃」
とてもとても谷山さんらしいかわいい曲でした。

036.gif

翌年に東京オリンピックを控えた、1963年の横浜。
古いものを壊し、どんどん新しいものを
作っていこうとする気運のなかで、
横浜のとある高校でも老朽化した文化部部室の建物
「カルチェラタン」の取り壊し計画が持ち上がる。
そんな騒動の中、学生たちを率い、
部室棟を守ろうとする少年・俊と、
高校に通いながら下宿宿を切り盛りする働き者の少女・海が出会う。
二人は順調に距離を縮めていくが、
ある日を境に、急に俊がよそよそしくなって…?

036.gif

ラブストーリーは淡々としていたように感じる。
原作は少女マンガ。
少女マンガはコマわりでアクセントをつけるのが上手。
コマの大きさを変えたり、アップにしたり、引いてみたり。
この映画はアップと引きがうまく機能してないように思えて
どうにももどかしかった。
あまり感情を露わにしない海ちゃんの心を
もう少し上手にすくい取ってほしかった。
ゆれ動く表情を拾い上げていないわけではないから
なおさらもったいないと思ってしまいました。

空から降ってきた男の子。
そんなドラマチックなシチュエーションに遭遇したら
恋におちるのも当然です。
海が思わず駆けより手を差し伸べたのは
長女気質の為せる業ではないのかな。

海ちゃん(メル)はやらなければならない事を
きちんとがんばってこなしている。
そんなメルが晩ご飯の買い物を後回しにしたり
ひどい食事をつくってしまったり
お母さんの前で大泣きしたりするとホッとします。

お父さんがメルを守ってくれたように感じます。
カルチェラタンの取り壊しを中止して欲しいと
直談判したとき、理事長の心を動かしたのは
海の父の話がでたとき。
俊は海を意識するようになったのは
海があげていた旗に気づいたのがきっかけ。
「旗」は父のためにあげていたのだから
父を介して出会ったとも言える。

「U・W」旗――(安全な航行を祈る)

俊の返礼の旗の意味について
ひとこと映画でふれてくれたらよかったのにな。

なにはともあれ、ふたりの未来に幸あれと
心から願いながらエンディングをみた次第でございます。

コクリコ坂から サウンドトラック

コクリコ坂から サウンドトラック

  • アーティスト: 武部聡志
  • 出版社/メーカー: 徳間ジャパンコミュニケーションズ
  • 発売日: 2011/07/13
  • メディア: CD

以下、たいしたことじゃないけどちょっと一言
(映画を観たひとだけどうぞ)

*
*
*

血のつながった兄妹なのかも
というのは少女マンガの王道の設定だった
ということを思い出して、いろいろ懐かしい感じ。
山口百恵の「赤い疑惑」もそうだったわね。
あのドラマはドラマチックすぎてついていけなかったけど^^;

NHKのドキュメントを見た。
吾郎さん、奥歯をかみしめて絵コンテを切るので
すりへってしまい、最後は奥歯を抜いて作業していたらしい。
ジブリ、おそろしい現場…


タグ:ジブリ
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