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ドラマ 『スカーレット』 [TV]

「揺るぎない強さ」

スカーレットというドラマから
ずっと受け取っていたのは
「揺るぎない強さ」だったような気がします。

ジョージ富士川の本『TODAY IS』
「今日が私の一日なら、私は・・・だろう。」
武志の願いをこの本が伝えてくれました。

武志に会いにきた真奈が忘れた傘を
喜美子が物干しざおにかけて乾かす。
雨が降り出し傘に水がたまりしぶきが上がる。
それを見て武志のなかでくすぶっていたイメージが
姿をあらわす。

適切な道具が配置され
無理なく物語の流れをつくっていく。

「今日が私の一日なら
私はいつもと変わらない一日を
過ごすだろう」

武志のささやかな望みがせつないです。

難病もののドラマは苦手です。
でも、スカーレットは最後まで見届けたい。
病気をあつかってはいるけれど
お涙頂戴のセンチメンタルな場面などありません。
粛々とすすむ物語。
それでも喜美子の武志の八郎の
葛藤も悲しみも喜びも希望も絶望も
見ている私たちに突き刺さってくる。

「できることは、泣かんことや」
喜美子の父・常治の残り少ない日々を前に
母・マツがこう言っていたのを思い出す。

残りの放送回数を見ると甘い展開は望めない。
このドラマの作風は甘さを許してくれないような気がする。
それでもどうか良い方向に進んでくれないかと
祈るような気持ちで見ています。



戸田恵梨香の繊細な演技から目が離せません。
ふとした瞬間に悲しさがこぼれてしまうのを見ると
演技でやっているとはとても思えない。

2018年のドラマ『大恋愛〜僕を忘れる君と』では
若年性アルツハイマーという病魔におそわれる
難しい役を魅力的に演じてました。
今回は病気に奪われそうな最愛の息子を
見守る母親を演じていて素晴らしい。

喜美子(戸田恵梨香)の連れ合いの八郎・松下洸平
息子・武志の伊藤健太郎
三人のシーンをもっともっと見ていたいです。

冬野ユミさんの静かな音楽も大好き。

武志の担当医・大崎先生
演じるのは稲垣吾郎

稲垣吾郎さんの演技を見て驚きました。
以前は台詞回しにクセがあって
ちょっと苦手でした。
(一応SMAPファンなのに)
久しぶりに見たスカーレットでは
不要な力みは一切なく
声も力強くききとりやすい。

患者にとって辛い告知をする難しい場面。
あの穏やかな声と表情に少し救われました。

いつの間にこんなに安定感のある役者さんに
なっていたのでしょう。
…わたしが知らなかっただけですけどね。

関西のおばちゃんになりきっている大島優子も
大好きです。





連続テレビ小説「スカーレット」オリジナル・サウンドトラック

連続テレビ小説「スカーレット」オリジナル・サウンドトラック

  • アーティスト: 冬野ユミ
  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2019/11/20
  • メディア: CD


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